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ASDその10 -手術- [ASD]

手術直前まで、意識はしっかりと残っていた。

ASDその9 -手術までの日々-
痛いのかな?手術失敗したらどうなるんだろ?親は泣くかな?友達は泣くかな?
墓参りには来てくれるかな?
そんなネガティブなことばかりが浮かんでは消え、流石にこのときは睡眠導入剤のお世話に
なり眠りにつくことができたのでした

いよいよ手術当日の朝。いつもどおりナースセンター前にて計量、そして病室にて
体温、血圧の測定。何の問題もない。
違う事といえば、看護婦さん達に『いよいよだね』とか『頑張ってね』とか言われることくらい。
それから、昨晩に腸内を一掃した為か異常に腹が減って仕方がない。しかも今日は朝飯抜きで、
術後しばらくはまともなご飯にありつけないことを考え憂鬱になる。

主治医のM先生、執刀するK先生もやってきて僕の状態を見る。
『心配しないでくれ』と心強いお言葉。

ICUの方もやってきて、術後についての説明を受ける。
『術後は人工呼吸器がついていて口に管が入っており、話すことが出来ないので、担当の
者の手のひらに文字を書いて話して下さい。』
とのこと。筆談ですね、しかも一方通行の。

この頃、両親や東京の伯母さん達がワラワラとやってきて口々に『ガンバレ』と言われた。
内心、「僕は麻酔で寝るから頑張れない」と・・・。

10時頃だったろうか?看護婦さんが2名やってきて、
『これから手術に向かいますので、予備麻酔の注射をします。』との事。
腕に2本刺されました。まぁ、そんなに痛くは無かった。

それから10数分後、別の看護婦さんがやってきて、僕はストレッチャーに乗せられた。
『では、これから手術室に向かいます。』
仰向けになった僕に、父が
『DB8、がんばれよ』と少々上ずりながら声をかけてくれる。母は、目に涙をためている。
それを見て僕も泣きそうになるが、流石に看護婦さんもいるのでこらえる。

「あのさ、別に死ぬわけじゃないし、最後でもないから、大丈夫だよ」
と僕は口にした。

同室に入院中のオジサン達も口々に『ガンバレ』、『大丈夫だから、心配するな』と声を
かけてくれる。

そうしていよいよ僕を乗せたストレッチャーは病室を出て看護婦さん2名に押されて手術室に
向かった。
廊下を押され、エレベータで手術室のある階へ向かう。
看護婦の一人が、
『DB8サン、眠くならないの?』と聞いてきた。
「えぇ、全然眠くならないですねぇ、ハハハハハ」
眠くならなかったのは本当のこと、気を紛らわすのにもう笑うしかなかった。

いよいよ手術室の前に着く。
看護婦さんが手術室前のインターホンで到着したことを告げる。
すると中から別の看護婦さんが出てきた。
ここまで押してきてくれた病棟の看護婦さんが、
『DB8サン、男性、19YY年MM月DD日生まれ、19歳、宜しくお願いいたします』
と中の看護婦さん伝え、カルテ?を渡した。
受け取った看護婦さんは、
『はい、分かりました』と短く答え、そして僕に質問をした。
『DB8サンに間違いないですね?』
「ハイ」
『では、これから手術室に入ります』と中の看護婦さんがストレッチャーを押していく
そのとき、ここまで運んでくれた看護婦さんが
『がんばってね!』と声をかけてくれた。
無言で頷いた。

手術室に入る手前の部屋に着いた時、看護婦さんが僕に問い掛ける。
『眠くないの?』
「えぇ、全然(笑)」
『じゃぁ、自分で着替えられるわね。』と
緑色の術着?に着替えさせられた。それ以外は何も身につけていない。
そして又ストレッチャーに乗り、手術室に入る。

おぉ!!!TVで見たまんまだ!!!
緑色の手術着を着て帽子、マスクを着けた先生や看護婦さんが沢山いる。
手術用のライト!見たことも無い機器!キラキラと輝いていました。
とてもこれから手術を受ける身ではないような反応。

手術台の脇にストレッチャーが寄せられる。
執刀医のK先生が僕の顔を覗き込み、
『麻酔効いてない?』
「ハイ、多分・・・(笑)」
『じゃ、それ脱いで、自分で手術台に上がれるね?』
「ハイ」
と言い、スッポンポンの状態で手術台へ上がる。ガツン!!!
「痛ぇ~(>_<)」
手術用のライトに頭をぶつけた。裸で片膝を立ててうずくまるその様子はさながらターミネーター
当時、僕の身長は180cm、それ故のアクシデント
手術室に笑いが漏れる。
『あはは、ゴメン、ゴメン、大丈夫?』と先生や看護婦さん達。
『ライトに頭をぶつけた患者さんは君が初めてだよ(笑)』と執刀医。
場が和んだ。

手術台の上に乗り、仰向けになると身体には緑色のシートを被せられ、両腕に1本、又1本と
点滴の針が刺されていく。
「痛ッ」
と小声で呟いたのが聞こえたのか、
『あぁ、麻酔を先にすれば良かったねぇ、痛いもんねぇ。』と暢気な執刀医のK先生。
「えぇ、お願いします。」
麻酔が注され、するとようやく効いてきたのかだんだんと意識が遠のいていく。

手術中なのか、手術後(ICUの中)なのかは分からないが、こんな夢を見たことを覚えている。

周りは真っ暗で、僕の家だけがポツリと浮かぶように明かりがついている。
それを僕は遠巻きに眺めている。
家の中では皆が泣いている。お葬式?お通夜?
家から出てくる人達も目をハンカチで抑えて出てくる。「どうしたんだろ?」
そこに僕はフラフラと吸い寄せられるように向かおうとしたその時、右腕をギュッと掴まれ、
背後から『DB8、そっちじゃねぇだろ!』と友達の声がする。
「あぁ。」僕は、そう言ってその腕に引っ張られる。

そんな夢を見た。今でもハッキリと覚えている。

続く(やっと手術終了、次回は手術中の出来事+術後の経過かな)

いやー、やっと手術まで話がきました。
僕の頭の中では、あと2回位で完結です。これを読んでくださっている方、もう暫く
お付き合いくださいませ。m(_"_)m


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コメント 4

gutta

淡々とした文章にもかかわらず手術前の緊張感がこちらにもビシビシ伝わってきました。完結までもちろんおつきあいさせていただきます。
by gutta (2005-05-23 12:30) 

サンソ

緊張したぁ。
自分の事のように読ませていただきました。
完結までお付き合いさせて頂きますとも。
by サンソ (2005-05-23 15:33) 

maeashi・恵

うーーん、手術って怖い。。。
\(◎o◎)/!私も一度だけ全身麻酔の経験がありますが、、、
あのあのあの、、、、でしたね。。。
by maeashi・恵 (2005-05-24 10:51) 

DB8

>ぐったサン
いつもいつも、お付き合い有難うございます。続きは下書きにしてるんですが、あと2回じゃないかもしれません。
>サンソさん
手術室に入ってからはホントに笑いの連続だったんですよ。
緊張感無いなぁと(笑)
>恵サン
全身麻酔・・・いやですねぇ。
手術とかはイヤですけど、病院は好きなんですよね。
by DB8 (2005-05-24 17:11) 

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ASDその11 -覚醒-(Palm Warehouse 2005-05-25 07:45)

生きている。良かった。生きているよ。 ASDその10 -手術- 手術台の上に乗り、仰向けになると身体には緑色のシートを被せられ、両腕に1本、又1本と 点滴の針が刺されていく。 「痛ッ」 と小声で呟いたのが聞こえたのか、 『あぁ、麻酔を先にすれば良かったねぇ、痛いもんねぇ。』と暢気な…[続く]

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